子宮頸がんワクチンについて │ 狛江・国領の小児科 コドモノいっぽクリニック
ニュース
厚生労働省の検討部会 から、 子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンの接種について、「積極的勧奨」が再開される方向になりました。
子宮頸がんについてもう一度お知らせいたします。
①子宮頸がんについて
日本人が生涯でがんに罹患する確率は、男性65.5%、女性50.2%と言われています。子宮頸がんは女性特有のがんとしては乳がんについて発症率が高く、特に20-30代のがんでは第1位となっています。毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんになり、約2,800人が亡くなり、がんの治療の影響で妊娠できなくなってしまう人が約1,200人います。子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。性交渉によって感染します。もしウイルスが感染したとしても、ヒトの免疫力によって多くは排除されます。しかし感染が長期にわたって継続した場合に、がん細胞へと進行することがあります。そこで子宮頸がんの予防には、ワクチン接種と定期的な検診が重要とされています。世界的には多くの国でワクチン接種が進んでおり、前がん病変および浸潤がんの減少が報告されています。
②子宮頸がんワクチンについて
日本において現在子宮頸がんワクチンは『積極的勧奨の中止』となっていました。その間も定期接種としての位置づけに変化はなく、公費助成による接種が可能でした。一時期話題になった『多様な症状』に関してはHPVワクチン接種後の特有な症状ではないことが示されました。世界保健機関(WHO)も安全性の問題は見つかっていないと発表しています。
定期接種対象のワクチンは 2価と4価ワクチンです。これらはHPV16、18型の感染を予防できるものです。
HPVには約200の遺伝子タイプがあり、その中で子宮頸がんと関係の深いタイプをハイリスクタイプと言います。子宮頸がんにおけるHPV16、18型の感染率は65%くらい、HPV31、33、45、52、58型まで含めると90%弱と言われています。
③9価ワクチンについて
2021年2月より、日本でも9価ワクチンが使えるようになりました。こちらが、上で示したHPV31、33、45、52、58型を含み、子宮頸がんの原因の遺伝子タイプ90%弱をカバーするワクチンです。ただし、9価ワクチン(シルガード9®)が公費になる目処はまだ立っておりません。全額自費でのお支払いになりますことをご了承ください。
④ワクチン接種スケジュール
公費対象期間: 小学校6年生~高校1年生
(初回、2ヶ月後、6ヶ月後の3回接種が必要ですので 高校1年生の夏までに接種を開始してください)
公費対象ワクチン: ガータシル®(4価ワクチン)
自費ワクチン: シルガード9®(9価ワクチン) 25,000円/回 (初回、2ヶ月後、6ヶ月後の3回接種)
※シルガード9®は初回の接種時に2回分のお支払いをいただきます。2回目の接種時に3回目分のお支払いをいただきます。お支払いは現金のみとなりますのでご了承ください。
シルガード9®接種の際には ワクチンQダイアリーへの全例登録が必要です。
ご自宅で新規登録までしていただくと接種までの流れがスムーズになりますので、シルガード9®接種ご希望の方はよろしければご登録ください。
当日の予診票は当院でお書きいただきます。
→https://vaccine-q-diary.com/
⑤これからのこと
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスは、性交渉を通じて感染します。その予防のため、若いうちのワクチン接種が有効であることが分かっています。日本では今、定期接種対象として小学校6年生から高校1年生に設定されています。自分の身体を守ること、大人になることについて、ぜひ、親子で考えてみてください。そして、ご自分でも考えてほしい年代です。もし、疑問点・医療者に聞きたいことなどがありましたら、クリニックに聞きに来てください。子宮頸がんに関するお問い合わせに関しては、一人でお話したかったらお子さまお一人でも構いません。お待ちしております。(お越しの際は連絡いただけますと、お時間を作ることが可能です。もしくは診療予約枠をお取りください。)